上田市の印刷会社。

長野県東信地域の印刷業界は不況だといわれていますが
そんな中、地元上田市の印刷会社さんが新しい印刷機を導入するというニュースを耳にします。

ご存知でない方が多いと思いますが、印刷会社が使用するカラー印刷機の値段って1台
1億円ぐらいするんです!
最近の印刷機の性能は素晴らしく、きれいな仕上がりの印刷物ができます。

綺麗な印刷って何を指すのか?

印刷は複製技術です。

印刷の「綺麗」とは印刷に使用する商品、例えば料理写真などをどれだけ忠実に色の再現が
できるかということがひとつだと思います。

つまり「モノ」に対して忠実な色再現がどれだけできるかが印刷会社の腕前になります。
「安く!安く!」の結果、観光パンフレットやグルメ雑誌など一時期とんでもない色で印刷されていたのを
見たことがありましたが、それでは「綺麗な景観」や「美味しそうに見える」などが印刷物から読者に
伝わらず台無しになってしまいます。


最近は「安く!安く!」や「早く!早く!」の要望が先行し
本来その商品の本質である「綺麗に仕上げる」という要望が忘れられているような気がします。

東京都は産業として「印刷業」が伸びてきているそうです。
「モノ」が動くには情報の伝達が必要。だから印刷物は、これだけインターネットが普及してもなくならないのです。
(都内の駅にはホットペッパーがあるように)

高級車を販売したい自動車メーカーの自動車カタログがパソコンのカラープリンタで出力したものだったら
あなたは、それをわくわくして見るでしょうか?またその商品に価値を感じるでしょうか?

「安ければ多少の低品質は我慢してもいい」っていう世の中の要望が多いと、生産者の技術向上への
努力や一生懸命学んだ知識などが無駄になっていく気がします。それでいて何らかの景気に対する数字がでると
みんな声をそろえて「産業をもっと良くしなければ!」と言うのはなんか変な気がします・・・
お客様のために!お客様に感謝し!などの表現がいつのまにか「お客様の言いなり」に間違って変わってしまったせいでしょうか・・・

何かつくり手が驕らず自信を持って「モノ」をつくる時期にあるような気がします。

地元で品質の高い印刷機が各会社で導入されるに合わせ、地元の印刷品質がさらに高くなること願いたいです。

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このブログ記事について

このページは、間島 賢一が2007年9月10日 17:57に書いたブログ記事です。

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